会派・市民の力 機関紙 第22号(2017年10月)

現王園市長「問責決議」受け給料10%減額提案

減額期間6ヶ月を任期中(平成31年4月末)に延長して可決

現王園市長は、9月定例会に追加議案として、「市長給料10%減額」する条例を提出しました。

 

議会は最終日に、委員会が減額期間6カ月を任期中とする修正を全会一致で可決しました。この結果月額90万円が81万円になりました。

 

提案理由で市長は、7月の臨時会で、全会一致で「問責決議」が可決しています。その問責決議を重く受け止めたと述べました。

 

本会議の議案質疑、委員会審査で、問責決議の内容を踏まえると、10%6カ月では不十分であるという意見が多く、委員会の協議で減額期間を6カ月から市長任期(平成31年4月30日)までとする修正案が出されました。

 

総務文教常任委員長報告では、「今後の市政運営を行うにあたり、自らを律する。ということなら、その職にある期間であるべき」と説明されました。

 

市長個人の市政運営に係る問責決議で、これだけの減額は北本市では初めてです。


決算認定。次の展開は

9月定例会は、8月29日から9月22日まででした。主な議案は、平成28年度一般会計及び特別会計の決算ですが、原案通り認定されました。

 

人口減少は止むことなく、今年もハイペースで進んでいます。全国的傾向の中で、埼玉県は微増しています。

 

そういう中で北本市は10年前から減少が続き、改善の兆しは見えてきません。

 

大手自動車メーカーの工場撤退は、法人税の減収につながり痛手ですが、新しい産業の創出に向けて、多様な知識技術のある若い人材を誘致、集積させ、地元産業の革新が必要です。

 

イ・ショク・ジュウの生活3原則を、新しい視点で見直し、ヒト・モノ・カネ・コトの循環で活性化させることが重要。

 


現王園市長「学歴詐称疑惑」請願趣旨採択

報道機関(埼玉新聞社)から平成15年市議選での学歴は「放送大学教養学部(修了)」と回答

6月議会に、市民が提出された「現王園市長の学歴詐称で、辞職を求める請願」は、継続審査になっていましたが、総務文教常任委員会は趣旨採択にし、本会議でも可決しました。

 

現王園市長は、6月議会で総務文教常任委員会での質疑に「新聞社には中退で提出している」と答え、新聞報道(上図)は「誤報」であると取れる答弁をしていました。

 

委員会では、閉会中に新聞各社に、平成15年当時の履歴記録の有無を問い合わせました。

 

当時学歴を新聞で報道した埼玉新聞社からは「放送大学教養学部(修了)」との履歴事項が、本人から提出されていると回答があったことを市長に質疑したが、現王園市長は「修了という言葉は、知らなかった」と答弁しました。

 

傍聴されていた市民が「自分の小中高の卒業証書には〈修了〉となっています。知らないとは、しらじらしい言い訳です。こういう人が市長で恥ずかしい」と、顔をゆがめていました。

 

議会は、報道機関への「学歴詐称」と、議会が保存している公文書の「虚偽記載」の事実を確認したうえで趣旨採択としました。

 

議会は市長の「学歴詐称」と「虚偽記載」は認めた?なら「辞職勧告」を

委員長報告では、「埼玉新聞からの回答には重みがある。しかし、市長の証言の確認ができない。政治家としての倫理上の疑念に、請願者の願意は理解できる」となっています。

 

本請願の紹介議員二人(高橋伸治・日高英城)は「新聞社からの回答から見ても詐称は明確。公人として辞職が相当」と討論しました。

 


「解体費用なし、保証人不適格」不条理なホテル建設市有地貸付契約

ホテル建設のために、北本駅東口駐車場跡地の市有地を、30年間事業用定期借地権設定契約が8月17日締結されました。

 

契約書を見ると、大切な事項に不備が見られ将来に不安を残しています。われわれ会派「市民の力」は、契約の変更を求める議会決議を提出しましたが、賛成少数で否決されました。契約の問題点を述べます。

ホテルができると地域が活性化する。どうして、借地権の契約にこだわるのですか?

借地権設定契約は、市民の財産である「市有地」が、長期間にわたり健全に保全・管理され、現状で返還されることを保障するために行うものです。

 

市(市民)に不利益になる内容では、契約する意味はありません。

 

ホテルを建てたいとの思いが強くとも、借地権契約は、市有地の完全返還が保障される必要があるからです。例えば、ホテル建設が発展のためであったとしても、市民の財産を守ることが最優先させるための契約でなければなりません。

市民の財産が守られることは大切です。そのために、どこを見直すことが必要なのですか?

先ず、借地権と建物に第三者の抵当権設定の禁止です。抵当権を設定されると、倒産等があった時、借地権と建物が他人(第三者)にわたる恐れがあります。

 

次に、連帯保証人に社長個人を追加することです。現在の保証人は、借主の子会社です。連鎖倒産の恐れがあります。

 

何が起きても、最低限の保証が得られるようにすべき。

 

そして、土地を返還するときの「原状回復(更地)」のための解体費用(試算:5千万円)の保証です。これは現金(保証金)が最善です。現在の保証金は1,368万円と、かなり不足しています。古びたビルが残るのはご免です。

そんなに厳しい条件では、ホテル業者が進出しなくなるのではないですか?

市有地に、民間のホテルを建設することは、住民の財産を長期間固定化することです。ホテル側も、市有地の保全義務があります。ホテル事業が、長期間にわたって発展するのであれば、厳しい条件でも受託するはずです。

 

<まとめ>ホテル業者は民間企業ですから、採算に合うなら民間の土地に建設すべきです。市有地にこだわるとしたら、その真意については厳しく問うべきです。


市有地守る「抵当権設定禁止」等求めた決議否決

議員は誰のためにいるの?

市議会議員は、だれのために「議決権」という、最も重い責任を使うのでしょうか。

 

そういう疑問を強くした定例会でした。

 

現在締結されている定期借地権設定契約では、住民共有の財産である市有地が、倒産等の不測の事態が起きても、確実に保全されることに対応できる記載が不足しています。

 

そのようなことから、次のような内容を追加する契約の変更を求めました。

9人の議員の正論無残 !

議会最終日に、「住民の財産を守る」ことに強い責任感ある9人の議員が、契約書第30条の規定をもとに、

  1. 借地権者が、定期借地権と建物を第三者に抵当権設定を禁止する。
  2. 市が建物に抵当権を設定する。
  3. 解体費用を試算し、借地権者に保証させる。
  4. 連帯保証人に、借地権者法人の代表者個人、また金融機関を追加する。

を、現在締結されている契約書に追加する「契約変更」を市長に求める決議を提出しました。

財産守れない議会 ?

1時間30分の議論でした。

 

その結果、市民の財産を守るのにより厳格な契約を求めた決議に、賛成9人、反対10人で否決されました。

 

賛成討論で、「市民の財産を最低限厳守にはこの決議しかない。反対する理由はない」とありました。

 

しかし、反対討論は「ホテルができないと活性化ができない」というものでした。

 

どう思われますか…?

想像力欠き思考停止状態 !

市長は、何としてもホテルを作りたい。市民の財産については、業者が善意をもって保全することに期待したようです。

 

しかし、生き馬の目を抜く企業競争です。当然、ホテル業者の倒産、破たん、業績不振が想像されます。

 

その時どうするか。市長に代ってそれを契約に入れるよう求めるのが議会の仕事です。議論の中で、反対した議員は、ホテル業者の倒産などに対する想像力がない上、思考も停止しているようでした。


編集後記・雑感

定例会が終った夜、同僚議員から「脱力感がいっぱいです」とメールがありました。

 

彼は一般質問で、定期借地権設定契約の不備を明らかにし、市民の財産をしっかり守るべきだという議員と、決議に賛成しましたが、一票差で否決。このようなメールになりました。理解できます。

 

今議会は、市長給料の減額そして学歴詐称疑惑と駐車場存続の請願と、現王園市長への市民の不信が議題となっていました。

 

特に市長給料の減額は、職員等自分以外の不祥事での減額はあるが、自身の市政運営での問責決議を受けては、初めてです。学歴詐称と共に深刻です。

 

また、駅東口駐車場の廃止に、市長の説明を求めた市民団体に、一度は出席を約束しそれを断った理由を、「特定の市民」には説明しないと答弁(その後「一部の市民」と訂正)しました。

 

これが「市民主役」を公約にした現王園市長の、市民に対する言葉でしょうか。

 

我々会派「市民の力」は、住民目線でしがらみのない政治を進め、住民と「新しい絆」を目指します。(工)




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