北本駅東口駐車場をホテル建設へ長期貸出に懸念。ストップ!
市民の財産を守る - 駐車場利用者も / 北本駅東口再生に活かす - リノベーションで活性化
北本市議会は、22日の最終日、北本駅東口市営駐車場の移転(移転後の駐車台数28台から4台)する条例案を反対多数で「否決」しました。
このため、駐車場跡地に進出が予定されていた「ホテル」建設への貸出は難しくなりました。
駅東口駐車場は、国鉄清算事業団から買取り今日に至っています。
駐車場は、年間11万5千件の利用があり、約800万円の使用料が納められています。
また、30分無料のため、駅への送迎や買い物などで利用する市民は全体の約80%以上と推定され、公営駐車場として定着しています。この無料利用者を金額換算すると、約900万円です。市民への公共(行政サービス)として高い評価でしょう。
一方、昨年の春に突然「ホテル」進出が明らかになり、議論になっていました。
私は、公有地を民間事業者に貸し出す(定期借地権で30年以上)のは慎重であるべきと言ってきました。多くの自治体が、公有地の長期にわたる貸し出しは、まずは公共性ある施設(学校や病院、福祉施設等)や事業者(市と共同または公的機関)です。
民間事業者に貸し出す場合は「大手の安定的な事業者」であり、また建築する建物は解体しやすい建物が条件です。
活性化はホテル建設だけか
東口の地域活性化はホテル誘致なのか。ホテルというハコだけでは波及性に限界があります。後で述べますが、民と公の連携・協働をどう進めるかです。
今回の進出ホテル事業者は、審査会議でも合格基準350点に、355点とぎりぎり合格です。
30年後の建物解体費用も事前に積み立てるなどしていません。
保証人をとると言っていますが、最悪事業者が破たんしたなどの場合は、転売されることもあり、慎重な対応を求めてきました。
都知事の言葉を借りれば「市民の財産を守る」、「東口再生に活かす」との思いです。東口の活性化は長年の課題です。ホテルも一つの効果なんでしょうが、ホテルの地域への経済波及性は多くはありません。
東口の活性化はまずは中央通りの完成です。
その上で、周辺の公・民の空地・空室を、北九州市小倉区のように、総合的に活性化させる「東口エリアマネージメント」を導入し、民間主導の公民連携でリノベーションを図ることが不可欠と思います。イメージ先行の活性化から、質実の活性へ再考すべきです。(工藤)
臨時会の招集! 市長は議会決議の冒とくの極み
6月議会で否決されたこの議案と同じ議案を、市長は7月12日開会の臨時議会に提案することについて、議会運営委員会は了承しました。
それにしても、議会はずいぶんと軽く扱われていますね。何しろ、二元代表制の議会が、こういう市長の対応を無原則に受けるとは、自ら「議会」を安売りするようなものです。
同時に、有権者から委任され、意思決定機関の議決が軽視され、冒とくされ、かつ市民から選ばれた議員が侮辱されています。
これに議員が気が付かないとしたら、北本市議会は機能不全は続きます。市政停滞の連帯責任を問われることなる可能性があります
現王園市長の学歴詐称で辞職求める請願は継続審査へ
現王園市長「放送大中退と選挙管理委員会・新聞社に履歴書提出」と、埼玉新聞社が誤って報道したと取れる答弁
放送大4年在籍で中退と
現王園市長に辞職を求める請願が提出されました。請願を提出されたのは、市内本町に住む男性です。
総務文教常任委員会で審査されましたが、委員会はさらに調査が必要であるので、閉会中の継続審査にしました。
提出された請願書には、現王園市長は、平成15年に行われた市議会議員選挙において、最終学歴を「放送大」として、埼玉新聞は立候補者の経歴で公開しています(写真参照)。
しかし、6月14日の総務文教常任委員会へ出席した現王園市長は、委員の質疑に「選挙管理委員会と新聞社に提出した履歴書には放送大中退と書いて提出している」と答弁しました。
埼玉新聞社に抗議・訂正は求めない
それが事実なら、埼玉新聞社は「誤報」したことになります。
答弁を受けた委員が、「それなら新聞社に抗議するとか、訂正を求めるか」と質疑したら、市長は「提出(履歴書)した」と答えるに留まっています。
学歴の詐称で、辞職を求める請願が出されています。公職にある市長の最大の名誉にかかわることです。誤報であるなら、敢然と埼玉新聞社に確認し、訂正を求め、疑いを晴らすことが市民への責務と委員らが思っています。
私たちの経験から、新聞社が「誤報」することは考えにくく、特に選挙の報道には、各社相当の緊張感をもって対応しているはずです。
現王園市長「誤記」と答弁、傍聴した市民の失笑誘う
虚偽記載を認める
また、平成15年、19年、23年の3回議会に保存されている「議員履歴事項」(公文書)に、最終学歴を「放送大学教養学部」と記載しています。これは公文書に「虚偽記載」と認識されるが、公職者として政治倫理の観点からも、その責任は明らかであると委員会で質疑がありました。
市長は、「誤記です。学歴の欄が狭く、中退と書くことができなかった。今にして思えば、欄外に書けばよかった」と答弁しました。
請願者は「実質虚偽記載を認めた。欄外に書けばよかったと、市長の答弁とは思われません。あまりにも、『幼稚』で、公職者としての自覚が足りない」と批判していました。
また、委員会を傍聴されていた多くの市民も、正直驚きを通り越し、「はずかしい」と、失笑していました。
議会最終日、委員長が「より慎重なる調査が必要であり、よって閉会中の継続審査とする」と報告があり、議会は全員賛成しました。
傍聴された市民からの投稿
恥ずかしい。辞職勧告を
6月12日と14日の2回傍聴しました。請願人が、現王園市長に内容証明文書で回答を求めた内容に、「学歴を詐称」したであろうことを「誤記」と言い訳に驚き、市長本人の口から、「新聞社が誤報した」ととれる発言には、人間性を疑いました。
議員が、「それなら新聞社に抗議と訂正を求めるか」との質問に、「求めない」と答弁しました。これでは、疑いを自ら晴らす責任の放棄です。
こういう人間が、私たちが選んだ市長として公務を続けるのでしょうか。市民として恥ずかしい。是非!早急に辞職勧告してください。(N.S)
失望…暗い気持ちです
こういう恥ずかしい請願が出されたことを悲しく思っています。
石津市長から変わった時は飛び跳ねて喜びました。しかし公約の女性副市長の撤回や、議会との混乱。そして人口減少に打つ手なしを見ると、この先心配です。
請願の委員会を傍聴し、議員の質問に正面から答えないことに失望しました。辞職まではどうかと思うが、気持ちは暗いです。(下石戸A.T)
人事・条例・補正予算可決
6月議会は、人事議案が多く出ました。
教育委員や監査委員をはじめ、すべての人事議案は可決しています。工藤と日高は、固定資産評価審査委員会委員と農業委員1件に反対しました。
ほかに補正予算や野外活動センターなどの条例には賛成し、可決しています。
北本市歴史初! 公私混同の前例に - 市長以外の執行機関の委員に議員の家族選任
※2017/7/7 「市長の諮問機関」-> 「市長以外の執行機関」に訂正
現王園市長の英断か蛮行か
今議会に提案された人事議案のうち、市長以外の執行機関である「固定資産評価審査委員会委員」と「農業委員」に、議員の子供が選任されています。
公職者の家族等が、市長の政策判断に影響与える可能性がある委員に選任されることは、政治の公正・公平性の観点から慎重であるべきと考えています。
私は「北本市の歴史でこのような事例はあったのか」と質疑。「確認できた範囲ではございません」との答弁でした。
私は「今回可決すると、悪しき前例を作ることになる。これまでの市長はこの件には慎重であり、節度があったのではないか」と質疑しました。
市長「国民に与えられた権利」と答弁
市長は「国民に等しく与えられた権利で、法制上問題はない」と答弁されました。
しかし、法制上問題でなくとも、これまでの市長は、市民から「公私混同(市政の私物化)」など、政治倫理を疑われることのないように、自主的・自発的に自己抑制をしたのではないでしょうか。
「国民に等しく与えられた権利」であっても、市民に、いらぬ不信を与えることは避けた、成熟した市民感覚の「知恵」だったと思います。
工藤と日高は敢然と反対
私は、反対討論で「選任された人物は、経歴も能力も十分なものであることは理解している。しかし、議員の子供という利害関係者を選任することは、新しい前例を作ることになり、政治倫理の観点からも再考を求める」と申し上げました。
録画配信を見た市民から、「工藤さん、良く反対してくれました。この種の事柄は慣例を作ってしまいます。この分野での癌細胞が芽吹いてしまいました。残念です。今後に禍根を残します。」とメールをいただきました。
現王園市長の「市政一新」はこういうことなのでしょうか。
編集後記・雑感
工藤日出夫と日高英城の両議員は、会派緑風会から分離し、「市民の力」を届け出ました。
新庁舎建設の100条委員会の委員に、会派から一人ということになり、緑風会のままだと金子議員と工藤のどちらかになります。工藤は委員長として最後まで務め上げる使命があるとの思いで、緊急的措置として会派を分離しました。
ホテルの進出は、長い間議論が二分していました。ひとまず結論が出ましたが、市長は7月に臨時議会を招集し、再度審議しようとしているようです。議会の議決(否決)に不服があるのでしょうが、これが二元代表制です。
同じ議案なら10日以内の再議ですが、これは3分2の賛成者が必要になります。しかし、否決の議案と同じでは「議会を冒とく」しています。(文/工藤)