工藤日出夫 北本市議会レポート 第134号(2017年2月)

平成29年第1回北本市議会定例会(3月議会) 2月22日(水) 開会、平成29年度予算など33議案を審議

北本市議会は、平成29年第1回定例議会を2月22日(水)開会、3月17日(金)までの24日間開催します。

 

市長提出議案は、平成29年度一般会計予算ほか条例8件など31件、市民が提出した請願2件の合計33件が審議されます。

 

一般質問は18人の議員が通告し、3月9日から4日間行われます。工藤日出夫は、3月13日の午後の2番目です。北本市第五次振興計画に関連して2件、2つの老いを抱えるマンション問題について質します。

一般会計予算195億5,300万円〜見えない! 人口対策への投資

転出超過県内自治体ワースト2

平成29年度一般会計予算が提案されます。予算規模は195憶5,300万円と前年度とほぼ同額です。

 

第五次北本市総合振興計画が策定され、人口減少への対応が最大の課題ですが、それに向けた新規事業は皆無と言ってもいいと思います。日経新聞の調査では、2016年の県内人口移動で、転出超過数で北本市は397人とワースト2でした。人口総数も、県統計で550人減と、10年以上連続して減少しています。

 

埼玉県は人口が伸びていますので、ここ5年ぐらいは、人口減少を抑制する政策誘導が可能であると見ています。

工藤日出夫市議会レポート134号 図表 会計別予算総括表

若者の定住・移住こそ最優先

しかし今年度の予算では、学校施設の老朽化対策には予算がついていますが、若者の移住・定住に向けた事業は、県と連携した事業費88万円ぐらいで、高齢者の健康増進?という理由で、パークゴルフ場整備に多額の税金を使うようです。

 

また、高尾の神社境内に観光公衆トイレ設置2,150万円が予算化されています。北本市の喫緊の課題は人口問題です。今年度の予算からは、視界不良のままです。

工藤日出夫の一般質問: 3月13日(月)

件名1: 第五次北本市総合振興計画基本計画と現王園たかあき政策集、市政一新の会報との整合性について(市長)

  • 要旨1 学校給食費無料にしますについて。
  • 要旨2 新駅問題に終止符を打つことについて。
  • 要旨3 公正な監査委員制度の導入について。

件名2: 昨年末の30日朝刊に「北本市財政課からのお知らせ」というチラシが折り込まれました。(市長)

  • 要旨1 市長はご覧になりましたか。

件名3: 第五次北本市総合振興計画基本計画について(市長)

  • 要旨1 若者人口の移住・定住促進を目指したリーディングプロジェクトについて市長の任期は残り2年ですが、プロジェクト推進のロードマップはどのようになっていますか。

不透明な新庁舎建設問題を調査する百条委員会の報告

昨年12月議会で設置された「新庁舎等の公共工事等に係る調査特別委員会(百条委員会/委員長工藤日出夫)」は、2月17日の委員会で10回開催しました。

 

この間、委員会の運営要綱の確認や調査のための記録の収集、顧問弁護士と一級建築士等の専門家の選定を行い体制を整えました。また、8人の委員で問題点を話し合い、今後の調査の基礎的な事実確認を行うため、2月6日と7日の2日間「証人尋問(13人)」を、14日と17日に「参考人招致(9人)」を行いました。

 

現在は、主に「防災倉庫建設の入札不調後の随意契約の妥当性」と「新庁舎及びこどもプラザの設計と伝達業務・工事監理の委託契約(随意契約)の妥当性」の2件を調査しています。

 

この証人尋問と参考人招致で、市長をトップに職制を通した、全体の構図が見えてきました。具体的な証言内容は掲載できませんが、市民の納めた税金を使う仕事の正当性には、いくつかの疑問・疑惑が明らかになりつつあります。

 

これから、本腰入れて調査を進めます。


時論: 人口問題の一考察

わが国の人口は、2050年には1億人を割り込み、2100年には約6,500万人と予測されています。この数字は1940年とおおよそ同じで、戦後60年かけて1億2,800万人を超え、今後100年かけて1940年代に戻るという予測です。

 

この人口減少をどう見るかです。

 

北本市も、平成17年に約71,500人のピークから減り続け、現在67,500人台(住民基本台帳)と、10年で約4,000人程度減りました。

 

社会減が始まったのが平成17年、一貫して減り続け回復の兆しは見えません。それに少子化が拍車をかけています。

この5年が最後のチャンスでは…?

北本市も、長期的には人口減少は受け入れざるを得ないでしょう。私は「スマートコンパクト・シティ」(環境共生・知的資産が活用される機能的な文化都市)を提案しています。

 

そのためには、人口動態にポジティブな影響を与える可能性ある、ここ5年が勝負です。そういう意味で、今年度の新規事業予算に期待しましたが、いま一つインパクトがありません。


[特報] パークゴルフ場候補地変更理由を百条委員会で調査せよと請願

市民が2件の請願を提出しました。1件は「パークゴルフ場の建設場所」が、市長交代で「中丸8丁目から高尾9丁目」に急きょ変更されたのはどうしてか。百条委員会で調査してくださいというものです。

 

もう1件は、現在議会が百条委員会を設置している「新庁舎建設の疑惑」を、議会だけに任せるのでなく、小池東京都知事のように市長が率先して真相解明してくださいというものです。

 

請願の内容は下記のとおりです。

パークゴルフ場整備用地を高尾地区に変更した経緯と整備事業の妥当性を地方自治法第100条による調査を求める請願

1.請願趣旨(要約)

パークゴルフ場の整備予定地が、県の許可もあり平成27年度に700万円の税金使って設計書を作った中丸8丁目地域から、市長選挙後の平成27年12月に現王園市長の指示により高尾地区に変更されたと聞いた。

 

平成26年10月23日の「平成26年度第2回公共施設整備検討委員会」(委員長犬養副市長)で、出席委員の了承で中丸8丁目最終処分地跡地に決定している。しかしながら、現王園市長の要請で、平成27年12月1日平成27年第2回公共施設整備委員会を開催し、中丸8丁目最終処分跡地はパークゴルフ場に不適であり、防災拠点施設として整備する方針転換を決めている。それを受け現王園市長は高尾地区を候補とした。

 

平成26年度と平成27年度の公共施設整備検討委員会の会議録によれば、両方とも委員長は犬養副市長、出席委員(部課長職)のうち数人は両年度で委員をしている。中丸地区に決めた委員が、なぜ、中丸地区が不適という理由に賛成したのか。

 

現王園市長の「天の声」という意見も聞くが、確認できていない。不透明な新庁舎建設工事同様に、市民の疑問にふたをせず、議会は応えるべきではないか。

 

地方自治法第100条による調査特別委員会でこの議事録にあるもの全員と現王園市長を証人尋問し、候補地の変更が公正・適正な判断であったのか。また、多額な費用を要するパークゴルフ場整備の妥当性の検証を求めて請願する。

2.請願事項

  1. 候補地変更の妥当性を、北本市議会が平成28年12月議会で設置した地方自治法第100条第1項による調査特別委員会の調査事項に追加すること。
  2. パークゴルフ場の整備の費用対効果について地方自治法第100条第2項で、専門的知見を活用して検証すること。

新庁舎等建設工事の疑惑問題は市長が率先して解明することを求める請願

1.請願趣旨(要約)

北本市新市庁舎及び(仮称)こどもプラザ建設に係る不透明な執行管理に対する第三者委員会報告書で明らかになった調査事項並びに監査委員の調査の報告を受けて、議会は緊急質問を行い、地方自治法第100条第1項に基づく調査特別委員会を設置し活動をしている。

 

しかしながら、緊急質問においても、その後の対応についても、市政一新を掲げた現王園市長の本気度が見えてきません。このことは、前任者による独断的で部下に責任転嫁する市政運営を改善するチャンスであると思える。

 

われわれ市民には、前市長のもとで行われた新庁舎等の建設の疑惑には、小池新東京都知事がリーダーシップを発揮し全力で解明しようとしている「豊洲市場」の問題とダブって見える。市民団体は、東京都に対し石原元都知事に損賠償金約約500億円を求める住民訴訟を起している。

 

北本市民も、現王園市長に新庁舎等建設及びその他の公共事業で、税金の不適切な支払いが行われていたとしたら、その返還請求を求めて住民監査請求することも考えられる。

 

議会は百条委員会でその真相解明に向けて動き出した。現王園市長も、小池東京都知事のように、過去にさかのぼって関係者を処分するとともに、問題の本質を知る可能性の高い前市長と百条委員会での証人尋問の証言で名前の出た前議員、関係企業関係者から事情聴取し、適切な措置を講ずることは、市政一新を掲げた現王園孝明現市長の重大な責務であろうと認識している。

2.請願事項

  1. 市政一新を掲げた現王園孝明現市長に、証人尋問で名前の出た前市長と前議員をはじめ関係者から事情聴取し、市政の最高責任者として全容解明と行政改革に向けて適切な措置を講ずるよう、議会決議をすること。

市長交代後の急変に疑問

パークゴルフ場の用地候補について、請願者は、中丸地区から高尾9丁目に、市長交代によって急変したことに疑問を持っています。なぜか?分からん。

 

パークゴルフ場整備、健康づくりですが…。平成29年度予算に、整備に向けて「測量と設計書作成費」1,325万5千円が計上されています。

 

パークゴルフ場は、この予算で完成するわけではありません。土地の取得費と整備費を合わせると、3億円から4億円ぐらいと言われています。そのうえ、維持管理費が年間1千万円前後のようです。

 

若者の定住・移住促進政策が最優先しなければならないときに、高齢者の健康づくりにこれほどの財源を使うことに理解が得られるのか。

がんばれ!小池都知事に負けるな

新庁舎建設の疑惑は、建設当時から指摘されていました。私は何度か一般質問で質しました。百条委員会の請願にも賛成しました。

 

また、現王園市長も、議員時代に「百条委員会とは別に、市長が率先して調査すべき」と、強く指摘しています。

 

百条委員会にはそれなりの調査権はありますが、損害賠償請求などはできません。できるのは市長ですから、そういう意味で、請願された市民のご提案を、議会はしっかり受け止めるべきです。


編集後記・雑感

百条委員会であたふたしているうちに、3月定例議会です。今議会は、平成29年度予算審議が中心議題ですが、北本市には課題山積しています。

 

北本駅東口駐車場にホテルが進出。本当にこれで活性化ができるのか。北本総合公園野球場の防球ネットに1億6千万円。地元高校には防球ネットを整備せずとも貸し出すことは可能ではなかったのか。救急医療や介護体制の充実、子供を育てながら働く親に保育の充実、人口減少対策こそ最優先のはずです。

 

こんな思いを持ち、今議会に臨みます。もちろん百条委員会はしっかりやります。




工藤日出夫議会レポート第134号(2017年2月)
工藤日出夫議会レポート第134号(2017年2月)

ダウンロード
工藤日出夫議会レポート第134号(2017年2月)
134くどうひでお議会レポート第134号(2017.02.).pdf
PDFファイル 1.5 MB