平成27年第4回北本市議会定例会(12月議会)は11月27日から12月15日まで
第4回定例議会(12月議会)は、11月27日開会12月15日閉会で開催されます。市長提出議案は、条例5件、事件議案3件、予算3件の11議案です。また、市民が提出した請願3件で、合計14件の議案を審議します。
主な議案は、機構改革のための「部設置条例の一部改正」と、10年間のまちづくりの指針となる「第五次北本市総合振興計画基本構想」、障がい者作業施設「あすなろ学園の指定管理者の指定」です。しっかり審議します。
第五次北本市総合振興計画基本構想(案)提出 !
これからの10年 - 市政運営の指針
人口動態を踏まえ持続可能都市へ見えないビジョン
第五次北本市総合振興計画基本構想の議案が提示されました。
総合振興計画は、北本市政運営の10年間の指針です。北本市は、民間の研究機関から30年後に消滅する可能性がある都市と名指しされました。
私は、消滅可能性都市という言い方には、違和感を持っています。消滅する可能性があるのは自治体(北本市)であって、私たちが暮らす街(生活の場)は消滅することはありません。
「自治体(北本市)破れて山河(街)あり(残る)」です。
新時代の計画は新しい発想
しかし、現実にこの先大きく人口減少をきたすとなれば、それを放置したままということはできません。なぜなら、このまま人口が減少し、適切・的確な対策なければ、自治体(行政)として、これまでと同じようなサービスはできないだけでなく、消滅の可能性が高まります。
さて提示された振興計画基本構想(案)を見て、この先の市政運営に懸念を持ちました。消滅可能性都市になるかどうかは別に、計画策定の方法や構成、人口動態の捉え方、そして何よりこれからの市政運営(まちづくり)の理念が、後で述べますが、時代の潮流から離れています。
新しい時代に向けた総合振興計画(まちづくりの指針)は、新しい発想が必要です。
見えてこない「市政一新」
また、現王園市長は選挙の公約で、市政一新!「財政の中長期計画を策定します」としながら、政策(基本計画)と連動するであろう財政計画が示されていません。
さらに、人口減少することが確実視されているのに、公共(社会)インフラのマネジメント(維持・更新・管理)計画は、これから平成29年度までに策定すると言っています。
これらは、一体的に策定してこそ、北本市の新しい都市経営の方向が見えてくるはずです。
市政一新は、新しい北本市を作る最も重要な理念であろう。
市民参画の協働に活路を…
まちづくりの理念も、「市民が主役」のような抽象的な表現でなく、縮小しても成熟した「コンパクトで快適-持続可能な北本市を具現化」するために、「循環」「協働・連携」「持続」「自立(自律)」を基本理念に、目標は「しあわせ実感!市民の笑顔の見える街」ではないでしょうか。
議会に提案されました。議会の責任としてしっかり審議します。
*総合振興計画について、次ページに解説しました。ご一読ください。
北本市議会「出前型議会報告会」開催
北本市議会は、議会改革の一環として、これまで北本市役所庁舎(委員会室)で開催していた議会報告会を、公民館(集会所)で開催することにしました。
9月議会の報告会(第8回報告会)は、10月10日(土)北部公民館、11日(日)コミュニティセンターで開催し、両日で70名の市民の参加を得、活発な意見交換(要望等含め)ができました。
公立保育所再編問題ひとまず決着
市立深井保育園は当面存続の方針
8月下旬に、公立保育所に通う父母に、「公立保育所再編について」説明があり、統合・閉所が明らかになりました。
この説明では、平成33年度に、中央保育所と栄保育所を統合し(仮称)中央保育所に統合。深井保育所は東保育所へ併合する。そのため、平成27年度募集から中止するというものでした。
公立の定員を現在の370人から170人にする。待機児童を出さないために、民間幼稚園に80
人の認定こども園、既設の保育園に109人の増員をすると言う内容です。
これを聞いた、父母は公立保育所がなくなることに危機感を持ち、存続のために活動し始めました。早速、市議会議長に、父母会との意見交換が申し入れがありました。
9月9日の交換会には50人を超える参加で、時間オーバーしての熱のこもったものでした。また、公立保育所連合会長が市の「子ども子育て会議」で、仕事を休んで出席し、子育てと仕事の両立、それを可能にする公立保育所の役割について主張しました。
私は、6年前に起きた「市立深井保育所閉所」問題の時、父母会の皆さんと「閉所見直しの請願」に協力したことから、今回も支援しました。結果、11月13日議会全員協議会に市長が出席し、中央と栄は、中央保育所整備後栄保育所は閉所。深井保育所は今後の保育状況等を勘案し検討するので、その間存続させる。民間保育の質を向上させるなど、父母会の要望を受け入れるものでした。
しかし、元に戻すような決着なら、あえてこの時期にとも思いましたが。
成熟時代の総合計画
北本市は、昭和53年(1978年)に第一次の振興計画を策定して以来、10年ごとに4回策定しています。「緑に囲まれた健康な文化都市」を都市将来像に掲げ、すでに40年経過しました。
第一次(1978年)から第三次(1996年→)の中途までは、高度経済成長時代の余熱があり、人
口も増加していました。しかしながら、そこかしこに高度成長に合わせた仕組みに陰りが出始めていました。
私は、この時期から北本市は、「成長期」から「成熟期」に移行し始めていたとみています。このような背景の中で、第四次総合振興計画が策定(2005年)されました。
この時、私は議員になって2年経っていましたが、この第四次総合振興計画基本構想の議案に「痛烈な批判を込めて反対討論」しました。理由は、「北本市が置かれている未来への状況に危機感がない」ことでした。
大学進学などで若い人の市外転出は、近未来に人口減少を誘発する。また、土地利用構想を見直さないと住宅が供給できず、人口の社会増を進められないという現実がありました。
第四次総合計画の推計人口は71,000人ですが、これに対応する政策に実現性が乏しく、この計画は推進しても人口減少は避けられない。まさに氷河に衝突する危機が迫っているのに、船内でダンスパーティを楽しんでいた映画「タイタニック号」と同じと指摘しました。
実際の人口は、平成27年11月現在で約68,200人です。この10年で約3,000人の減少です。その上10年後の人口は、社会保障・人口問題研究所の推計では62,300人となっています。このままの状況では、北本市の人口は、2005年のピークから20年で約9,000人の減少となります。
今度の第五次の総合振興計画は、厳しい人口動態をどのように分析し、次の10年以降の北本市を持続的に維持していくか、まさに正念場の中での策定です。しかしながら議会に示された基本構想は、「市民主役のまち」であるとか、「一人一人が輝く」という形容詞が踊っていますが、現状をどのように認識し、計画期間到達の10年後平成37年のまちの姿は描かれていません。
10年後は、団塊世代が75歳の後期高齢期で多死化社会の到来です。同時に少子化が進むとすれば、人口増加を安易に見込むより、縮小した中で、公と民が連携した「協働」社会を実現し、民間の活力を最大限に生かす仕組みを作り出すことではないでしょうか。
子育て支援も、高齢者の支援も、この街に住み続けようとする人に最大限の安心を届ける必要があります。貧困と孤立、社会的に弱い立場の人への支援などとともに、健康と医療・介護等の福祉の充実は避けれません。
今度の総合振興計画は、税金で賄う「公」の役割だけでを示すのでなく、「民」の資金・人材などの資源が活かされる仕組みと事業、公が関わる方法を示すことが重要ではないでしょうか。
工藤日出夫の一般質問
工藤日出夫の一般質問は、12月10日(木)午後1時からです。すでに通告している以下の件名について質します。
傍聴をお待ちしています。
[件名1] 新教育長が目指す北本市の教育と開かれた教育行政に向けた今日的意義(ミッション)と課題の克服に向けたリーダーシップについて
[件名2] 公立保育所再編の基本方針を受け安全で安心して子育てと仕事の両立が図れる保育の確立に向けた公共の責務について(市長)
[件名3] 厚生労働省の「墓地経営・管理の指針等について」と今後の公営墓地の在り方について
[件名4] パブリックコメントの取り扱いについて
●12月2日(火)午前9時から本会議場で「総合振興計画」の議案質疑。
●12月3日(水)午前総務文教常任委員会で、総合振興計画請願審査。
編集後記
今年最後の定例会が始まります。今議会は、第五次総合振興計画基本構想の審議が重要議案です。
現王園新市長によるこれからの北本市のまちづくりの目指す方向、政策が示される計画です。
北本市は県内近隣他市に比べても、人口減少幅が大きく10 年後には6万人程度と推計されています。「少産・多死」社会の中で、人口の数だけに頼る街づくりからの転換も、必要な時期に来ていると思います。
しっかり議論し、市民の参画・協働で幸せを感じられる街が理想です。